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静かな山宿に響くJAZZの調べ

October 19, 2019 ジャズコンサートin 山のひだや

静かな山宿に響くJAZZの調べのイメージ

ランプが灯る山宿でJAZZの音色に酔いしれる

華やかな夏が過ぎ、木々も色づきを増した上高地の秋の夕べ。

2019年10月19日(土)明神池の畔に佇む「山のひだや」にて毎年恒例のジャズコンサートが、地元の安曇野市を中心に活動しているバンド「saxonion(サキソニオン)」を招いて開催されました。

当日は朝から生憎の雨模様。玄関には訪れたお客さんの色とりどりの傘や雨具が並び、ロビーからはおかみさんの笑顔と、一日の疲れを風呂で癒し思い思いにくつろぐ人たちの話し声が聞こえます。
ジャズコンサートは夕食後の夜7時から併設の「カフェ・ド・コイショ」にて開催。降っていた雨も演奏が始まる頃には小降りとなり、宿泊客はもとより周辺に滞在の方々や、中には演奏を楽しみにわざわざ河童橋から歩いて来られた方もいらっしゃいました。

「saxonion」は2020年には活動開始から10周年を迎える、4つのサキソフォーンとドラムセットによる5人のカルテッド。山のひだやでの演奏は4年ぶりでメンバー全員今回も演奏と宿泊を楽しみに張り切って来たとのこと。
幻想的なランプの灯が燈る店内ではコーヒーを片手に、またビールを飲みながら訪れた方々が心地よいサックスの音色に酔いしれました。暖かな拍手の中アンコールを含む10曲以上の楽曲を披露していただき1時間あまりのライブを終了、上高地の山間の宿にゆったりとした心地よい時間が過ぎていきました。

Saxonion(サキソニオン)member -写真左から-

・バリトンsax/降旗 吉晴(ふりはた よしはる)
・ソプラノsax、アルトsax/武井 清志(たけい きよし)
・ドラム/稲冨 英彦(いなとみ ひでひこ)
・アルトsax/小林 利恵(こばやし りえ)
・テナーsax/西山 克彦(にしやま かつひこ)

旬の地元食材の美味しさを存分に堪能する

「山のひだや」はご主人とおかみさん、そしてパティシエである娘さんの3人による家族経営。温かみのある木造の建物と人の優しさが感じられる素朴な宿で、かまどで炊いたお焦げのあるご飯が何といっても一押しです。「地元産のお米をその土地の水で炊くのが一番美味しくいただける」とは料理人であるご主人の信念。岩魚も知り合いの養殖場にお願いし、おかみさん自らが卵を絞って孵化させ育てていただいたものを提供しています。地元の食材にこだわり一手間も二手間もかけて作る料理は、遠くからお越しいただくお客様に喜んでいただければと思う「山のひだや」のこだわりです。

そして併設の「カフェ・ド・コイショ」では、オリジナル焙煎のドリップコーヒーとパティシエの手掛ける日替わりスイーツを頂きながら、ゆっくりと上高地・明神のひと時を過ごせます。

Myランタンを持つというステイタス

ここ「山のひだや」は自家発電を利用している宿。館内には電気の利用と同時に随所にランタンが吊るされていて、赤く燈るその明かりは温かみのある優しい雰囲気を醸し出しています。そして「山のひだやアルパインクラブ」の会員になるとシリアルナンバー入りのMyランタンを持つことができ、永久保存維持管理をしてくれます。再度訪れた時に自分のランタンが迎えてくれるという何とも贅沢なステイタスを味わえます。

宿の裏手は明神池に隣接する森、朝になれば宿の周りには色々な種類の鳥たちが遊びに来ます。
明神岳を間近に仰ぎ、清らかな流れの小川の前に佇めば、山間の清々しい空気と緑豊かな自然に囲まれ時の経つのを忘れてしまうほど。おかみさんも娘さんも野鳥や動物が大好きなので、ご自身で撮影したいろいろな鳥たちの写真を見せてもらえますよ。
上高地の大自然の真っ只中、そんな人の温かみに触れつつ現在ではめったにできない昔ながらのシンプルな生活を楽しめる山宿です。

(2019年10月26日掲載)
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