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狛犬(こまいぬ)が化粧直し

穂髙神社 奥宮

狛犬(こまいぬ)が化粧直しのイメージ
上高地明神池のほとりに荘厳な趣で佇む穂髙神社奥宮。拝殿の左右に鎮座し山の安全を見守り続けてきた狛犬が、このほど改修・化粧直しされました。 長年にわたり上高地の厳しい風雪に耐えてきたその身体が清められ、高さ約30cmの台座に立派な姿となって甦っています。

そもそも狛犬とは、邪気を祓い神前を守護する意味で設置されているもので、架空の動物(霊獣)とされています。諸説ありますが、王位や神聖なるものの守護神としてのライオン像が起源とされ、古代オリエント諸国あるいは古代インドから中国・朝鮮の高麗を経由して日本に伝わったともいわれています。
阿吽(あうん)一対の像で、向かって右側には口を開けた「阿形(あぎょう)」、左側には口を閉じた「吽形(うんぎょう)」が一般的です。これは日本特有のものらしく、お寺の山門にある仁王像も阿吽の形をしていますので、おそらく仏教の影響を受けているのでは?と考えられています。

穂髙神社奥宮の狛犬は、昭和22年(1947)に五千尺ホテル上高地(当時・旅舎五千尺)の先々代社長・藤澤三千穂氏(故人)が奉納したもの。制作者は安曇野市穂高出身の彫刻家・小川大系(1898-1980)で穂髙神社本宮の狛犬も制作していることから、作り直さずに洗浄改修を行ったということです。今回の改修は「五千尺ホテル上高地」を運営する株式会社五千尺が100周年を迎え、記念事業の一環として行われました。

令和という新しい時代を迎え、装いも新たになった穂髙神社奥宮の狛犬。北アルプスや訪れる人々の安全をこれからも変わることなく見守り続けていくことでしょう。
明神池散策の折には、ぜひ狛犬にも注目してみてください。

(2019年5月29日掲載)
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